【2026年版】石川県の桜の開花・見頃はいつ?
加賀百万石の歴史と文化が息づく石川県。春になると、古都・金沢の歴史的な街並みや、日本三名園の一つ「兼六園」、そして雄大な能登の自然が、美しい桜色に染まります。首都圏で桜のピークが過ぎ去る頃、石川県ではようやく待望の桜シーズンが幕を開けます。
2026年に石川県でのお花見を計画する上で最も重要なのは、「金沢市内の平野部」と「北部の能登半島」とでは、見頃の時期が異なるという点です。まずは、石川県の桜の全体像と開花時期について詳しく解説します。
石川の桜は4月上旬に開花!4月中旬がピーク
石川県の桜(ソメイヨシノ)の開花時期の基準となるのは、「金沢地方気象台」(金沢市)の標本木です。金沢の平年の開花は4月上旬(例年4月1日~5日頃)となります。これは、東京の桜が満開を過ぎて散り始める頃とちょうど重なります。
そして、開花から約1週間~10日程度で満開を迎えるため、石川県のお花見の最大のピークは「4月中旬(例年4月10日~15日頃)」となります。「兼六園」や「金沢城公園」、「浅野川大橋」周辺といった金沢市内の主要な名所は、まさしくこの時期がクライマックスです。
「東京でお花見のタイミングを逃してしまった…」という方でも、北陸新幹線で金沢を訪れれば、再び満開の桜に出会えるチャンスがあるのです。
2026年の地域別(金沢・能登・加賀)開花・満開予想
石川県は南北に長く、また日本海に突き出た能登半島を有するため、同じ県内でも桜の開花時期にはずれが生じます。
【加賀エリア】(金沢市、小松市など)
県の基準となるエリアです。金沢市と、南部の小松市(木場潟公園など)は、ほぼ同時期の4月上旬に開花し、4月中旬にピークを迎えます。2026年のお花見計画も、まずこの時期を基本に考えると良いでしょう。
【能登エリア】(七尾市、穴水町、輪島市など)
石川県の桜めぐりで重要なのが、能登半島エリアとの時期のずれです。能登は金沢よりも春の訪れが遅く、桜の開花も金沢より数日~1週間程度遅れる傾向にあります。
「小丸山公園」(七尾市)は4月中旬、「のと鉄道 能登さくら駅」(穴水町)は4月中旬から下旬にかけて見頃を迎えます。金沢で桜が散り始めても、能登へ足を運べばまだ満開の桜を楽しめる、という「桜リレー」が可能なのが石川県の魅力です。
これらはあくまで平年の傾向であり、2026年の正確な開花・満開予想は、その年の冬の寒さや、3月から4月にかけての気温の推移によって大きく変動します。計画を立てる際は、3月中旬頃から発表される気象会社などの最新の桜開花予想を必ず確認し、ベストなタイミングを逃さないようにしましょう。
【2026】石川県でおすすめのお花見・桜の名所7選
加賀百万石の優雅な歴史と文化が根付く石川県には、古都・金沢の風情あふれる桜の名所から、雄大な能登の自然と桜が織りなす絶景スポットまで、多彩な魅力が溢れています。2026年の春に訪れるべき、特におすすめの桜の名所を7ヶ所厳選してご紹介します。
1. 兼六園(金沢市)|日本三名園!加賀百万石を彩る「菊桜」は必見
石川県の桜、そして金沢の春を語る上で欠かせないのが、「日本三名園」の一つに数えられる「兼六園(けんろくえん)」です。ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで3つ星を獲得したこの名園は、梅や紅葉だけでなく桜の名所でもあります。
ソメイヨシノなど約40種、約420本の桜が園内を彩りますが、最大の注目は「兼六園菊桜(けんろくえんきくざくら)」です。ソメイヨシノが散り始める4月中旬頃から咲き始め、1つの花に300枚以上もの花弁をつける珍しい八重桜で、国の天然記念物にも指定されています。開花から落花まで花の色を変える優雅な姿は必見です。もちろん、ソメイヨシノが咲く時期の園内も圧巻の美しさです。
2. 金沢城公園(金沢市)|石垣と桜が織りなす優雅な歴史景観
兼六園のすぐ向かい側に位置し、セットで訪れたいのが「金沢城公園」です。加賀藩・前田家の居城であった金沢城の城跡を整備した公園で、白く輝く「菱櫓(ひしやぐら)」や「五十間長屋(ごじっけんながや)」、そして重厚な「石川門」といった歴史的建造物と桜のコントラストが見事です。
ソメイヨシノ、ヤマザクラ、シダレザクラなど約400本が咲き誇り、特に石垣沿いの桜並木は圧巻。兼六園と合わせて、加賀百万石の歴史ロマンを感じながらお花見を楽しめます。
3. 浅野川大橋(主計町茶屋街)(金沢市)|古都の風情と川面に映る桜並木
金沢の「ひがし茶屋街」と並び、風情ある茶屋街の雰囲気を残す「主計町茶屋街(かずえまちちゃやがい)」。そのすぐそばを流れる浅野川(あさのがわ)の川沿いも、金沢らしい桜スポットです。
「浅野川大橋」周辺を中心に、川の両岸にソメイヨシノの桜並木が続きます。ガス灯が灯る茶屋街のレトロな街並みと、川面に映る桜の姿は情緒たっぷり。夜桜のライトアップも美しく、散策に最適です。
4. 能登さくら駅(穴水町)|「のと鉄道」桜のトンネルを抜ける絶景
能登半島を走るローカル線「のと鉄道」。その能登鹿島駅(のとじまかしまえき)は、通称「能登さくら駅」と呼ばれる、全国的にも有名な桜の名所です。
ホームの両側を約100本のソメイヨシノが覆い尽くし、満開の時期には見事な「桜のトンネル」が出現します。そこへレトロな列車が滑り込んでくる光景は、まるで映画のワンシーンのよう。開花は金沢より遅い4月中旬から下旬で、夜のライトアップも幻想的です。
5. 小丸山公園(七尾市)|能登随一!城跡から見下ろす桜の雲海
能登半島の中核都市・七尾市にある「小丸山公園」は、能登随一の桜の名所です。前田利家の築いた小丸山城の城跡で、ソメイヨシノやシダレザクラなど約1,000本が咲き誇ります。
高台にあるため、満開の時期には眼下に七尾市街や七尾湾を望むことができ、まるで桜の雲海が広がっているかのような絶景を楽しめます。開花は金沢よりやや遅い4月中旬頃です。
6. 木場潟公園(小松市)|残雪の白山と桜を望む湖畔のオアシス
県南部の小松市にある「木場潟(きばがた)公園」は、木場潟という湖の周囲を整備した広大な都市公園です。湖の周囲約6.4kmの園路沿いに、約1,600本のソメイヨシノが植えられています。
ここの最大の魅力は、そのロケーション。天気が良ければ、湖面に映る桜並木と共に、遠くに残雪の「白山(はくさん)」を望むことができます。広大な敷地で、サイクリングやウォーキングをしながらのびのびとお花見を楽しめます。
7. 犀川緑地(金沢市)|市民に愛される広大な河川敷の桜並木
浅野川と並び金沢市を代表するもう一つの川「犀川(さいかわ)」。その広大な河川敷も、市民に愛されるお花見スポットです。ソメイヨシノの桜並木が続き、満開の時期には多くの花見客がレジャーシートを広げて賑わいます。
川のせせらぎを聞きながら、遮るもののない広い空の下で、ゆったりとお花見を楽しめるのが魅力。金沢市街地からも近く、気軽に春の訪れを感じられる場所です。
石川県のお花見・桜めぐりで注意したいポイント
古都・金沢や能登半島など、魅力的な桜の名所が揃う石川県ですが、その旅行を成功させるには、北陸地方ならではの気候や、人気観光地特有の混雑事情を理解しておくことが不可欠です。
2026年の桜旅行を快適に楽しむために、事前に知っておくべき3つの重要なポイントを詳しく解説します。
服装の準備|北陸特有の「花冷え」と天候対策
石川県の桜の見頃である4月中旬は、「花冷え(はなびえ)」が首都圏とは比べ物にならないほど厳しいことを認識しなければなりません。金沢は「弁当忘れても傘忘れるな」と言われるほど天気が変わりやすく、桜の時期も例外ではありません。
日中は暖かくても、日が暮れると日本海からの冷たい風が吹き、気温以上に体感温度が下がります。「兼六園」や「金沢城公園」で夜桜のライトアップを楽しむ予定の方は、薄手のダウンジャケットや冬用のコート、マフラー、手袋といった万全の防寒対策が必須です。折り畳み傘もカバンに入れておくと安心です。
金沢市内のアクセスと駐車場・混雑回避術
石川県のお花見シーズンで最大の難関が、「金沢市中心部」の大混雑です。「兼六園」「金沢城公園」「ひがし茶屋街(浅野川周辺)」といった主要な桜の名所は、金沢の通常期の観光客+お花見客が集中するため、週末は大変な混雑に見舞われます。
これらのエリアは道が狭く、歴史的な街並みを守るため駐車場も限られています。週末に車で中心部へ入るのは深刻な交通渋滞や駐車場探しで時間を浪費する可能性が非常に高いです。2026年の訪問では、車は金沢駅周辺の駐車場に停め、そこから「城下まち金沢周遊バス」などの路線バスやタクシー、徒歩で巡るのが最も賢明な選択です。
金沢と能登エリアの「開花時期のずれ」
お花見の計画で絶対に間違えてはいけないのが、「金沢市(加賀エリア)」と「能登半島エリア」との明確な開花時期のずれです。これは石川県の桜めぐりにおける最大のポイントです。
金沢市の「兼六園」や「金沢城公園」がピークを迎える4月中旬に、能登半島の「のと鉄道 能登さくら駅」や「小丸山公園」を訪れても、まだ蕾(つぼみ)か咲き始めであることがほとんどです。
能登エリアの見頃は、金沢市内より約1週間程度遅い、4月中旬から下旬となります。「金沢が満開」というニュースを見て、その足で能登に向かっても、同じ満開の景色は見られません。1回の旅行で両方のピークを見るのは難しいため、2026年の計画では、どちらのエリアをメインにするかターゲットを絞るか、日程に余裕を持って桜前線を追いかけるようにしましょう。
まとめ
2026年におすすめしたい、石川県のお花見・桜の名所7選をご紹介しました。加賀百万石の古都・金沢を擁する石川県の桜は、首都圏で桜が散り始める4月上旬に開花し、4月中旬にピークを迎えるのが大きな特徴です。
「日本三名園」の一つ「兼六園」では、ソメイヨシノだけでなく遅咲きの「兼六園菊桜」まで長く楽しめ、「金沢城公園」や「浅野川大橋」周辺では、歴史的な街並みと桜の風情ある共演が満喫できます。さらに能登半島へ足を伸ばせば、「のと鉄道 能登さくら駅」のような感動的な桜のトンネルも待っています。
ただし、この素晴らしい石川の桜を2026年に満喫するためには、3つの重要な注意点があります。
①「花冷え」対策:北陸特有の気候です。特に夜桜鑑賞はダウンジャケットなど万全の防寒対策が必須です。
②金沢市内の「大混雑」:週末は車での移動を避け、公共交通機関(周遊バスなど)を利用するのが賢明です。
③「金沢」と「能登」の時期のずれ:能登の見頃は金沢より約1週間遅れます。両方のピークを同時に見るのは難しいため、訪問エリアを絞る計画が重要です。
これらのポイントをしっかり押さえて、2026年の春は、古都の風情と豊かな自然が織りなす石川県の美しい桜景色をぜひお楽しみください。