【2026年版】和歌山県の桜の開花・見頃はいつ?
紀伊半島の南西部に位置し、黒潮(くろしお)が流れる太平洋に面した温暖な気候の和歌山県。そのため、関西地方の中でも比較的早く桜のシーズンを迎えるのが特徴です。また、「日本さくら名所100選」に選ばれたスポットを3ヶ所(和歌山城、紀三井寺、七川ダム湖畔)も擁し、見ごたえのある桜の名所が豊富です。
2026年に和歌山県でお花見を計画する上で重要なのは、早咲きの桜の名所があること、そして南北に長い地形のためエリアによって見頃の時期が異なる点です。まずは、和歌山県の桜の全体像と開花時期について詳しく解説します。
和歌山の桜は3月下旬に開花!4月上旬がピーク
和歌山県の桜(ソメイヨシノ)の開花時期の基準となるのは、「和歌山地方気象台」(和歌山市)の標本木です。和歌山の平年の開花は3月下旬(例年3月23日~27日頃)となります。これは大阪や京都とほぼ同時期か、わずかに早いことが多く、関西の春の訪れを告げる役割も担っています。
そして、開花から約1週間~10日程度で満開を迎えるため、和歌山県(北部・中部)のお花見(ソメイヨシノ)の最大のピーク(見頃)は、「3月下旬の終わり頃から4月上旬」となります。「和歌山城」をはじめとする主要な名所は、まさしくこの時期がクライマックスです。
2026年の地域別(和歌山市・紀南・山間部)開花・満開予想
和歌山県は南北に長く、また山間部も多いため、桜の開花時期もエリアごとに差が出ます。
【北部・中部エリア】(和歌山市、岩出市、紀の川市など)
県の基準となるエリアです。3月下旬に開花し、4月上旬にピークを迎えます。「和歌山城」や「根來寺」などがこれにあたります。
【紀南エリア】(白浜町、古座川町など)
黒潮の影響を受け、県内で最も温暖なエリアです。そのため、桜の開花も和歌山市とほぼ同時期か、年によっては1~2日早く満開を迎える傾向があります。「平草原公園」や「七川ダム湖畔」などが該当します。
【山間部】(高野山など)
標高の高い山間部では、開花が大幅に遅れます。例えば、標高約800mの「高野山」では、見頃は4月下旬からゴールデンウィーク(GW)にかけてとなります。
紀三井寺など早咲きの桜も要チェック!
和歌山県のお花見計画で非常に重要なのが、「早咲き桜」の名所の存在です。特に和歌山市にある「紀三井寺(きみいでら)」は、「さくら名所100選」の一つであり、関西一の早咲き桜の名所として全国的に有名です。
紀三井寺の桜(主にソメイヨシノ)は、和歌山地方気象台の標本木よりも早く咲き始めることが多く、「近畿地方に春を告げる」とも言われています。例年3月中旬頃から咲き始め、3月下旬には見頃を迎えるため、ソメイヨシノの本格シーズンより一足早くお花見を楽しみたい方には最適です。
これらはあくまで平年の傾向です。2026年の正確な開花・満開予想は、冬の寒さや3月の気温推移によって変動します。旅行前には、3月中旬頃から発表される最新の桜開花予想を必ず確認するようにしましょう。
【2026】和歌山県でおすすめのお花見・桜の名所7選
温暖な気候の和歌山県には、関西一の早咲き桜の名所から、美しい海岸線を彩る桜、そして歴史ある寺社仏閣と桜が織りなす風景まで、多彩なお花見スポットが揃っています。「日本さくら名所100選」に選ばれた3ヶ所は特に見逃せません。2026年の春に訪れるべき、特におすすめの桜の名所を7ヶ所厳選してご紹介します。
1. 和歌山城(和歌山市)|「さくら名所100選」天守閣と約500本の桜
和歌山市のシンボルであり、「日本さくら名所100選」の一つが「和歌山城」です。徳川御三家・紀州徳川家の居城であった城の跡地に整備された公園で、白亜の美しい天守閣がそびえ立ちます。
城内にはソメイヨシノを中心に約500本の桜が咲き誇り、天守閣や石垣を華やかに彩ります。特に岡口門周辺や二の丸庭園は見事。さくらまつり期間中はぼんぼりが灯され、夜桜も楽しめます。
2. 紀三井寺(和歌山市)|「さくら名所100選」早咲き桜と絶景で名高い古刹
「日本さくら名所100選」であり、「近畿地方に春を告げる寺」として全国的に有名なのが、和歌山市にある「紀三井寺(きみいでら)」です。その名の通り、境内には三つの井戸(清浄水・楊柳水・吉祥水)があります。
関西随一の早咲き桜の名所として知られ、ソメイヨシノなど約500本が例年3月中旬頃から咲き始め、3月下旬には見頃を迎えます。231段の急な石段「結縁坂(けちえんざか)」を登った先にある境内からは、和歌浦(わかのうら)の絶景と共に桜を楽しめます。
3. 根來寺(岩出市)|国宝の大塔と約7000本の桜が織りなす歴史景観
県北部・岩出市にある「根來寺(ねごろじ)」は、新義真言宗の総本山であり、国宝の「大塔(多宝塔)」をはじめ多くの文化財を有する古刹です。
広大な境内には、ソメイヨシノを中心に約7,000本とも言われる桜が咲き誇り、歴史的な建造物群を彩ります。特に、大塔周辺や不動堂へと続く道の桜は見事。静謐な雰囲気の中で、歴史と桜の美しさに浸ることができます。
4. 平草原公園(白浜町)|太平洋を一望!約2000本の桜が咲く高台の公園
南紀白浜の高台に位置する「平草原公園(へいそうげんこうえん)」は、太平洋を一望できる絶景が自慢の公園です。園内にはソメイヨシノを中心に約2,000本の桜が植えられています。
満開の時期には、青い海と空、そして桜のピンク色が織りなす開放感あふれる景色を楽しめます。温暖な気候のため、和歌山市内とほぼ同時期か、やや早く見頃を迎えることもあります。
5. 七川ダム湖畔(古座川町)|「さくら名所100選」湖畔を彩る約3000本の桜
県南部の古座川町(こざがわちょう)にある「七川(しちかわ)ダム」の湖畔も、「日本さくら名所100選」の一つです。湖畔を取り囲むように約3,000本のソメイヨシノが植えられており、満開の時期は壮観です。
ダム湖の穏やかな水面に映る桜並木は美しく、ドライブやツーリングで訪れる人も多いスポットです。紀南地方に位置するため、開花は比較的早めです。
6. 加太森林公園(和歌山市)|海を見下ろす!自然の中で楽しむ桜
和歌山市の北西端、大阪湾に面した加太(かだ)地区の高台にある公園です。ソメイヨシノやヤマザクラなど約1,000本の桜が植えられており、自然の中でゆったりとお花見を楽しめます。
展望台からは、眼下に広がる紀淡海峡(きたんかいきょう)や友ヶ島(ともがしま)を望むことができ、海と桜の美しい景色が魅力です。ハイキングコースも整備されています。
7. 粉河寺・岡山公園(紀の川市)|西国三十三所第三番札所と桜の名所
西国三十三所観音霊場の第三番札所として知られる紀の川市の「粉河寺(こかわでら)」。そのすぐ隣にある「岡山公園」と合わせて、桜の名所として親しまれています。
粉河寺の国宝の本堂や重要文化財の大門といった歴史的建造物と桜の組み合わせは風情があります。隣接する岡山公園は小高い丘になっており、約1,000本の桜が咲き誇り、紀の川市街を見下ろせます。
和歌山県のお花見・桜めぐりで注意したいポイント
和歌山県には関西随一の早咲き桜の名所「紀三井寺」をはじめ、素晴らしいスポットが揃っています。しかし、その旅行を成功させるには、温暖なイメージとは裏腹な春先の気候や、南北に長い県土ゆえの注意点があります。
2026年の桜旅行を快適に楽しむために、事前に知っておくべき3つの重要なポイントを詳しく解説します。
服装の準備|「花冷え」と山間部・海沿いの寒暖差対策
和歌山県の桜の見頃である3月下旬から4月上旬は、「花冷え(はなびえ)」に十分な注意が必要です。和歌山市内でも、日中は暖かくても日が暮れると急に冷え込みます。
特に「和歌山城」や「紀三井寺」などで夜桜のライトアップを楽しむ予定の方は、しっかりとした防寒対策が欠かせません。「平草原公園」や「加太森林公園」のような海沿いの高台は、海風(うみかぜ)が強く吹くと体感温度がぐっと下がります。また、「七川ダム湖畔」のような山間部も朝晩は冷え込みます。薄手のダウンジャケットやフリース、ストールなど、重ね着で体温調節ができる服装を準備しましょう。
「車社会」和歌山のアクセス事情と駐車場・渋滞対策
和歌山県は、和歌山市中心部などを除けば、基本的に移動手段として「車」が中心となる「車社会」です。「和歌山城」や「紀三井寺」は駅から比較的アクセスしやすいですが、「根來寺」や「平草原公園」、「七川ダム湖畔」などは車でのアクセスが便利です。
そのため、お花見シーズンの週末は、人気スポット周辺の道路が深刻な交通渋滞を引き起こし、駐車場は朝早くから満車になってしまいます。特に「紀三井寺」の早咲きシーズンや、「和歌山城」の桜まつり期間中は大変混雑します。2026年に車で訪れる場合は、事前に公式サイトで臨時駐車場の場所や収容台数を確認し、朝早い時間帯に出発するなどの工夫をおすすめします。
南部(白浜)と北部(和歌山市)の開花時期のずれ
お花見の計画で注意したいのが、和歌山県内の「エリアによる開花時期のずれ」です。南北に長い地形のため、わずかですが差が出ます。
黒潮の影響を受ける温暖な紀南エリア(白浜町、古座川町など)は、県庁所在地の和歌山市よりも1~2日早く開花・満開を迎える傾向があります。
また、標高約800mの「高野山」など山間部では、開花が大幅に遅れ、4月下旬からゴールデンウィーク(GW)にかけてが見頃となります。「和歌山城が満開」という情報で高野山に行っても、まだ固い蕾(つぼみ)です。訪問したい場所のピンポイントな開花情報を確認することが重要です。
まとめ
2026年におすすめしたい、和歌山県のお花見・桜の名所7選をご紹介しました。和歌山県の桜は、温暖な気候を反映し、関西地方の中でも比較的早く、3月下旬に開花し、4月上旬にピークを迎えるのが大きな特徴です。特に「紀三井寺」は関西随一の早咲き桜として知られ、一足早い春の訪れを感じさせてくれます。
和歌山県には、「日本さくら名所100選」に選ばれたスポットが3ヶ所もあります。紀州徳川家ゆかりの「和歌山城」、早咲きと絶景で名高い「紀三井寺」、そしてダム湖畔を彩る「七川ダム湖畔」は必見です。ほかにも、国宝の大塔と桜が美しい「根來寺」や、太平洋を一望する「平草原公園」など、歴史と自然が織りなす多彩な桜景色が揃っています。
ただし、この素晴らしい和歌山の桜を2026年に満喫するためには、2つの重要な注意点があります。
①「花冷え」対策:特に夜桜鑑賞や海沿い・山間部では、防寒対策が必須です。温暖なイメージに油断せず、暖かい服装を準備しましょう。
②「車社会」ゆえの混雑:人気スポットの週末は交通渋滞や駐車場不足が予想されるため、早朝の訪問や公共交通機関の利用を検討するのが賢明です。
これらのポイントを押さえて、2026年の春は、美しい海と山、そして歴史に彩られた和歌山県の感動的な桜景色をぜひお楽しみください。