【2026年版】岡山県の桜の開花・見頃はいつ？
「晴れの国」とも呼ばれる岡山県は、瀬戸内海に面した温暖な南部と、中国山地を抱える北部とで気候が異なります。この地理的な特徴が、桜の開花時期にも影響を与え、県内で桜のリレーを楽しむことができます。日本三名園の一つ「後楽園」や、西日本随一の桜の名所と名高い「津山城」など、見ごたえのあるスポットが豊富です。
2026年に岡山県でお花見を計画する上で重要なのは、この「南部」と「北部・山間部」の時期の違いを理解することです。まずは、岡山県の桜の全体像と開花時期について詳しく解説します。
岡山の桜は4月上旬がピーク！北部はやや遅め
岡山県の桜（ソメイヨシノ）の開花時期の基準となるのは、「岡山地方気象台」（岡山市）の標本木です。岡山の平年の開花は3月下旬（例年3月28日前後）となります。これは、大阪や京都よりもわずかに遅く、広島とほぼ同じくらいのタイミングです。
そして、開花から約1週間～10日程度で満開を迎えるため、岡山県（南部・平野部）のお花見の最大のピーク（見頃）は、「4月上旬」となります。「岡山後楽園」や「岡山城」、「酒津公園」といった岡山市や倉敷市周辺の主要な名所は、まさしくこの時期がクライマックスです。
一方、県北部に位置する津山市（津山城）は、岡山市よりも標高がやや高く、内陸性の気候であるため、開花・満開ともに岡山市より数日遅れる傾向があります。津山城の見頃は例年4月上旬から中旬にかけてとなります。
2026年の地域別（岡山市・津山・北部）開花・満開予想
2026年の計画のために、エリアごとの時期の違いを整理しましょう。
【南部エリア】（岡山市、倉敷市など）
県の基準となるエリアです。3月下旬に開花し、ピークは4月上旬です。「岡山後楽園」や「酒津公園」などがこれにあたります。
【北部エリア】（津山市、新庄村など）
南部よりも春の訪れがやや遅れます。開花は3月下旬～4月上旬、ピークは4月上旬～中旬です。「津山城（鶴山公園）」や「凱旋桜通り」などが該当します。
【山間部】（真庭市など）
標高の高いエリアや一本桜はさらに遅れます。詳しくは次の項目で説明します。
醍醐桜など、一本桜・山間部は4月中旬が見頃
岡山県のお花見計画で特に注意が必要なのが、山間部に咲く一本桜や特殊な桜です。これらの多くはソメイヨシノとは異なる品種（エドヒガンザクラなど）であり、標高も高いため、開花時期が大幅に遅れます。
その代表格が、真庭市にある樹齢1000年とも言われる「醍醐桜（だいござくら）」です。この伝説的な一本桜の見頃は、岡山市内のピークから約2週間遅い「4月中旬」となります。岡山市内が葉桜になり始める頃に、ようやく満開を迎えるのです。
このように、岡山県内では4月上旬の平野部から、4月中旬の北部・山間部の一本桜まで、時期をずらしながら長く桜を楽しめるのが大きな魅力です。
これらはあくまで平年の傾向です。2026年の正確な開花・満開予想は、冬の寒さや3月の気温推移によって変動します。旅行前には、3月中旬頃から発表される最新の桜開花予想を必ず確認するようにしてください。
【2026】岡山県でおすすめのお花見・桜の名所7選
「晴れの国」岡山には、日本三名園の一つや西日本随一と称される桜の名所、そして樹齢1000年を超える伝説の一本桜まで、一度は訪れたい素晴らしいお花見スポットが揃っています。2026年の春に訪れるべき、特におすすめの桜の名所を7ヶ所厳選してご紹介します。
1. 津山城（鶴山公園）（津山市）｜「さくら名所100選」西日本随一！桜の雲海
岡山県北部・津山市にある「津山城（鶴山公園 つるやまこうえん）」は、「日本さくら名所100選」に選ばれ、西日本随一の桜の名所と称賛されています。城跡には約1,000本のソメイヨシノが咲き誇り、特に高さ約15mにも及ぶ見事な石垣群を覆うように咲く姿は圧巻です。満開時にはまるで「桜の雲海」のよう。夜桜のライトアップも幻想的です。
2. 岡山後楽園（岡山市）｜日本三名園！特別な「春の幻想庭園」
水戸の偕楽園、金沢の兼六園と並ぶ「日本三名園」の一つ「岡山後楽園」。江戸時代を代表する大名庭園であり、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで3つ星を獲得しています。園内にはソメイヨシノを中心に約280本の桜が植えられており、手入れの行き届いた庭園美と桜の競演が楽しめます。夜間特別開園「春の幻想庭園」では、ライトアップされた幻想的な夜桜を鑑賞できます。
3. 岡山城（烏城公園）（岡山市）｜黒い天守閣「烏城」と桜のコントラスト
岡山後楽園のすぐ隣、旭川（あさひがわ）を挟んだ対岸にそびえるのが「岡山城」です。黒い下見板張りの外観から「烏城（うじょう）」の別名を持つ天守閣（復元）と桜のコントラストは必見です。城のある「烏城公園（うじょうこうえん）」には約200本のソメイヨシノが咲き、歴史的な雰囲気の中でお花見が楽しめます。後楽園と合わせて訪れるのがおすすめです。
4. 半田山植物園（岡山市）｜岡山市街を一望！約1000本の桜
岡山市街を一望できる高台にある「半田山植物園」。園内にはソメイヨシノを中心に、カンヒザクラ、シダレザクラ、ヤエザクラなど約45種、約1,000本もの桜が植えられています。品種が多いため、3月下旬から4月下旬までと、比較的長い期間お花見を楽しめるのが魅力です。展望台からの眺めも素晴らしく、市民の憩いの場となっています。
5. 酒津公園（倉敷市）｜倉敷市民憩いの場！水辺と桜並木
白壁の美観地区で有名な倉敷市にある「酒津公園（さかづこうえん）」は、高梁川（たかはしがわ）に隣接する水と緑豊かな公園です。ソメイヨシノを中心に約500本の桜が植えられており、特に配水池の周囲を囲む桜並木は見事です。広々とした園内で、水辺の風景と共にのんびりとお花見を楽しめる、倉敷市民定番のスポットです。
6. 凱旋桜（がいせんざくら）通り（新庄村）｜137本の桜が作るレトロなトンネル
県北部の新庄村（しんじょうそん）にある「がいせん桜通り」は、ノスタルジックな雰囲気が魅力の桜並木です。日露戦争の戦勝を記念して旧出雲街道沿いに植えられた137本のソメイヨシノが、古い宿場町の面影を残す「新庄宿」の通りに見事な桜のトンネルを作り出します。レトロな街並みと桜の組み合わせが、訪れる人を魅了します。
7. 醍醐桜（だいござくら）（真庭市）｜樹齢1000年！丘に立つ伝説の一本桜
岡山県が誇る、あまりにも有名な一本桜が、真庭市（旧・落合町）にある「醍醐桜（だいござくら）」です。樹齢は推定1000年とも言われるアズマヒガンザクラの巨木で、県の天然記念物に指定されています。後醍醐天皇（ごだいごてんのう）が隠岐へ流される途中に立ち寄り賞賛したという伝説から、この名が付きました。周囲の山々を見渡す丘の上に一本だけ堂々と立つその姿は、神々しささえ感じさせます。見頃は岡山市内より遅い4月中旬頃です。
岡山県のお花見・桜めぐりで注意したいポイント
「晴れの国」岡山には、日本三名園の一つや西日本随一と称される津山城など、素晴らしい桜の名所があります。しかし、その旅行を成功させるには、内陸県ならではの気候、広大な県土（南部と北部）、そして「車社会」という特徴を理解しておくことが不可欠です。
2026年の桜旅行を快適に楽しむために、事前に知っておくべき3つの重要なポイントを詳しく解説します。
服装の準備｜「花冷え」対策は必須！特に北部・山間部
岡山県の桜の見頃である4月上旬は、「花冷え（はなびえ）」に十分な注意が必要です。日中は「晴れの国」らしく暖かくても、日が暮れると気温は急降下し、肌寒く感じることがよくあります。
特に注意が必要なのは、北部（津山市など）や山間部（真庭市の醍醐桜周辺）です。これらのエリアは岡山市内よりも標高が高く、朝晩の冷え込みがより厳しくなります。「津山城」や「岡山後楽園」などで夜桜のライトアップを楽しむ予定の方は、薄手のダウンジャケットやフリース、ストールなど、しっかりとした防寒対策が必須です。カイロなども準備して、万全の体制で臨みましょう。
「車社会」岡山のアクセス事情と駐車場・渋滞対策
岡山県は、岡山市中心部などを除けば、基本的に移動手段として「車」が中心となる「車社会」です。「岡山後楽園」や「岡山城」は駅からアクセスしやすいですが、「津山城」や「醍醐桜」、「凱旋桜通り」といった多くの名所は、車でないとアクセスが困難な場所にあります。
そのため、お花見シーズンの週末は、人気スポットへ続く道が深刻な交通渋滞を引き起こし、駐車場は朝早くから満車になってしまいます。特に「津山城」のさくらまつり期間中や、「醍醐桜」周辺は、一本道であることもあり、数時間単位の渋滞も覚悟しなければなりません。
2026年に車で訪れる場合は、必ず公式サイトで臨時駐車場の場所や交通規制、シャトルバスの有無を確認し、渋滞が始まる前の早朝（午前9時前）には現地に到着する計画をおすすめします。
南部（岡山市）と北部（津山・真庭）の開花時期のずれ
岡山県のお花見計画で絶対に間違えてはいけないのが、この「南部エリア」と「北部・山間部エリア」との明確な開花時期のずれです。これは岡山県の桜めぐりにおける最大のポイントです。
岡山市の「後楽園」や「岡山城」、倉敷市の「酒津公園」といった南部エリアが4月上旬にピークを迎える頃、標高の高い北部エリア（津山城）や山間部（醍醐桜）は、まだ蕾（つぼみ）か咲き始めの状態です。
津山城の見頃は岡山市より数日～1週間遅い4月上旬～中旬、そして「醍醐桜」の見頃はさらに遅い4月中旬となります。「岡山市内が満開」というニュースを見て、その足で「醍醐桜」に向かっても、桜は全く楽しめません。逆に、醍醐桜が見頃の時期に岡山市内を訪れても、そこはもう葉桜になっています。
1回の週末旅行で両方のピークを見ることはほぼ不可能です。2026年の旅行では、「今週は岡山市周辺」「来週は津山・真庭」というように、どちらのエリアをメインにするかターゲットを絞って計画を立てることが重要です。
まとめ
2026年におすすめしたい、岡山県のお花見・桜の名所7選をご紹介しました。「晴れの国」岡山の桜は、岡山市など南部エリアでは3月下旬に開花し、4月上旬にピークを迎えるのが大きな特徴です。一方、北部の津山市は4月上旬から中旬、山間部の一本桜は4月中旬と、県内で見頃の時期が大きく異なるため、長期間桜リレーを楽しめます。
岡山県には、西日本随一と称される「津山城（鶴山公園）」の圧巻の桜の雲海、日本三名園「岡山後楽園」の幻想的な夜桜、そして樹齢1000年を誇る伝説の一本桜「醍醐桜」など、全国に誇る素晴らしい名所が揃っています。
ただし、この素晴らしい岡山の桜を2026年に満喫するためには、3つの非常に重要な注意点があります。
① 最大の注意点：「南部」と「北部・山間部」の開花時期のずれ
岡山市内（4月上旬）と、津山城（4月上旬～中旬）、醍醐桜（4月中旬）は、見頃のピークが全く異なります。1回の旅行で全てのピークを見ることは不可能なため、訪問エリアのターゲットを明確に絞った計画が必須です。
②「車社会」ゆえの「大渋滞」対策
「津山城」や「醍醐桜」といった人気スポットは車が必須ですが、シーズン中の週末は数時間単位の深刻な交通渋滞が発生します。訪問は早朝（午前9時前）に現地到着を目指すか、平日の訪問を強く推奨します。
③ 北部・山間部の「花冷え」対策
特に標高の高い「津山城」や「醍醐桜」周辺は、岡山市内よりかなり冷え込みます。夜桜はもちろん、日中でも防寒対策は万全にしてください。
これらのポイントをしっかり押さえ、緻密な計画を立てて、2026年の春は、「晴れの国」岡山の多彩で美しい桜景色をぜひお楽しみください。
