【2026年版】埼玉県の桜の開花・見頃はいつ?
東京都の北に位置し、首都圏からのアクセスが抜群の埼玉県。荒川の土手沿いに広がる圧巻の桜並木や、歴史ある公園、自然豊かな山間部の桜まで、非常に多彩な桜の名所が揃っています。「日本さくら名所100選」に選ばれたスポットも県内に3ヶ所(熊谷桜堤、大宮公園、長瀞)あり、春には多くの花見客で賑わいます。
2026年に埼玉県の桜を楽しむ上で重要なのは、広大な「平野部」と、自然豊かな「秩父・長瀞の山間部」とでは、見頃の時期が大きく異なるという点です。まずは、埼玉県の桜の全体像と開花時期について詳しく解説します。
埼玉の桜は3月下旬に開花!4月上旬がピーク
埼玉県の桜(ソメイヨシノ)の開花時期の基準となるのは、「熊谷地方気象台」の標本木です。埼玉県の平年の開花は3月下旬(例年3月21日~25日頃)となり、これは東京とほぼ同時期か、年によっては東京よりも早くなることもあるほど、関東の中でも早い時期に開花を迎えます。
そして、開花から約1週間~10日程度で満開を迎えるため、お花見の最大のピークは「3月下旬から4月上旬」となります。「熊谷桜堤」や「大宮公園」、「幸手権現堂桜堤」といった県内の主要な桜の名所は、まさしくこの時期がクライマックスです。都内のお花見とほぼ同じスケジュール感で計画を立てられるのが、埼玉県の桜の大きな特徴です。
2026年の地域別(熊谷・さいたま・川越)開花・満開予想
埼玉県の大部分を占める平野部(さいたま市、川越市、熊谷市、幸手市など)では、地域による開花時期の大きな差はほとんどありません。ほぼ同時期に一斉に咲き誇ると考えて良いでしょう。
2026年の桜の開花・満開予想も、この平年の傾向がベースとなります。ただし、ご存知の通り、桜の開花はその年の冬の寒さや、3月に入ってからの気温の推移によって大きく左右されます。暖冬や春先の急な高温が続けば、開花・満開ともに平年より大幅に早まる可能性もあります。2026年の計画を立てる際は、3月中旬頃から発表される気象会社などの最新の桜開花予想をこまめにチェックすることが必須です。
秩父・長瀞エリアは4月中旬から下旬が見頃の場所も
埼玉県のお花見計画で最も注意すべき点が、この「秩父・長瀞エリア」との時期のずれです。埼玉県の西部に位置する秩父・長瀞地方は山間部にあたり、平野部とは全く気候が異なります。
熊谷市やさいたま市のソメイヨシノが散り始める4月上旬頃から、秩父・長瀞エリアの桜(ソメイヨシノやヤマザクラ)がようやく見頃を迎え始めます。さらに、長瀞の「北桜通り(通り抜けの桜)」のように、八重桜が中心の名所では、見頃は4月中旬から下旬と、さらに遅くなります。
また、秩父の「羊山公園」は、ソメイヨシノなどは4月上旬~中旬ですが、有名な「芝桜の丘」の見頃は4月中旬からゴールデンウィーク(GW)にかけてです。このように、埼玉県内では3月下旬からGW頃まで、場所と桜の種類を変えながら1ヶ月以上にわたって「桜リレー」を楽しめるのが、大きな魅力と言えるでしょう。
【2026】埼玉県でおすすめのお花見・桜の名所7選
首都圏にありながら豊かな自然も残る埼玉県には、「日本さくら名所100選」に選ばれた圧巻の桜並木から、小江戸の風情と共に楽しむ桜、そして雄大な自然景観の中で咲き誇る桜まで、多彩な名所が揃っています。2026年の春に訪れるべき、特におすすめの桜の名所を7ヶ所厳選してご紹介します。
1. 熊谷桜堤(熊谷市)|「さくら名所100選」約2km続く桜と菜の花の競演
埼玉県の桜の名所として、まず名前が挙がるのが「熊谷桜堤(くまがやさくらづつみ)」です。「日本さくら名所100選」にも選ばれており、荒川の土手沿い約2kmにわたって、約500本のソメイヨシノが咲き誇ります。
満開の時期には見事な桜のトンネルとなり、多くの花見客で賑わいます。ここの大きな魅力は、土手の斜面に広がる「菜の花」の黄色い絨毯。桜の淡いピンクと菜の花の鮮やかな黄色のコントラストは、まさに息をのむ美しさです。熊谷駅から徒歩圏内というアクセスの良さも嬉しいポイントです。
2. 幸手権現堂桜堤(幸手市)|1kmの桜トンネルと菜の花の絨毯
熊谷桜堤と並び、桜と菜の花の絶景で全国的に有名なのが、県東部に位置する「幸手権現堂桜堤(さってごんげんどうさくらづつみ)」です。約1kmにわたって続く堤に、約1,000本のソメイヨシノが咲き誇り、圧巻の「桜のトンネル」を作り出します。
そして、その桜並木の内側には、広大な「菜の花畑」が広がっており、ピンクと黄色のコントラストは熊谷桜堤に勝るとも劣らない美しさです。「幸手桜まつり」期間中は多くの露店も並び、関東随一の人気花見スポットとして知られています。
3. 大宮公園(さいたま市)|「さくら名所100選」約1000本の桜が咲く都市公園
さいたま市の中心部にある「大宮公園」は、県内で最も利用者が多い県営公園であり、「日本さくら名所100選」の一つにも数えられています。約1,000本ものソメイヨシノを中心に、シダレザクラなども植えられており、園内は桜一色に染まります。
「武蔵一宮 氷川神社」に隣接しており、園内には無料の動物園や博物館などもあるため、一日中楽しむことができます。ボート池の水面に映る桜も美しく、夜桜のライトアップも人気です。
4. 長瀞の桜(長瀞町)|「さくら名所100選」通り抜けの桜や岩畳との共演
県西部の秩父・長瀞(ながとろ)エリアは、町全体が「日本さくら名所100選」に選ばれています。平野部よりも開花が遅く、4月上旬から下旬にかけて、場所を変えながら桜リレーを楽しめるのが特徴です。
国の名勝・天然記念物である「岩畳(いわだたみ)」と荒川の清流、そして対岸に咲く桜の風景は、まさに絶景。また、「北桜通り」や「宝登山神社参道」などでは、ソメイヨシノが散り始める4月中旬から下旬にピークを迎える「八重桜(通り抜けの桜)」も圧巻の美しさです。
5. 川越氷川神社・新河岸川(川越市)|小江戸の街並みと川沿いの桜並木
「小江戸」として知られる川越市にも、風情あふれる桜スポットがあります。縁結びの神様として有名な「川越氷川神社」の裏手を流れる「新河岸川(しんがしがわ)」の堤防沿いです。
約500mにわたりソメイヨシノの桜並木が続き、満開の時期には川面に桜が映り込みます。まつり期間中には「小江戸川越春の舟遊」が開催されることもあり、和舟に乗りながら桜を愛でる、小江戸ならではの雅な体験ができます。
6. 羊山公園(秩父市)|桜と芝桜(4月中旬~)が楽しめる絶景スポット
秩父市街地を見下ろす高台にある「羊山公園(ひつじやまこうえん)」は、春の絶景スポットとして全国的に有名です。園内にはソメイヨシノやシダレザクラなども植えられていますが、ここの主役は「芝桜(しばざくら)」です。
桜(ソメイヨシノ)の見頃が終わる4月中旬からゴールデンウィークにかけて、公園内の「芝桜の丘」はピンクや白、紫色の花の絨毯で埋め尽くされます。桜と芝桜の両方を楽しめる、贅沢な春の風景が広がります。
7. 狭山稲荷山公園(狭山市)|広大な芝生で楽しむ約300本の桜
県南西部に位置する「狭山稲荷山公園(さやまいなりやまこうえん)」は、かつて米軍のジョンソン基地があった場所の一部を整備した公園です。ソメイヨシノを中心に約300本の桜が植えられています。
ここの最大の魅力は、なんといっても広大な「芝生広場」。レジャーシートを広げて寝転んだり、お弁当を食べたりしながら、のびのびと桜を楽しめます。家族連れやピクニックでゆっくり過ごしたい方に最適なスポットです。
埼玉県のお花見・桜めぐりで注意したいポイント
首都圏から気軽にアクセスできる埼玉県には、素晴らしい桜の名所が揃っていますが、その人気ゆえの混雑や、地理的な特徴による注意点が存在します。2026年の桜旅行をスムーズに、そして快適に楽しむために、特に知っておくべき3つの重要なポイントを詳しく解説します。
服装の準備|春でも油断禁物!「花冷え」対策
埼玉県の桜の見頃である3月下旬から4月上旬は、暦の上では春本番ですが、「花冷え(はなびえ)」には十分な注意が必要です。日中はコートが要らないほどの陽気でも、日が暮れると気温は急降下し、冬のような寒さに戻ることが珍しくありません。
特に「熊谷桜堤」や「幸手権現堂桜堤」のような土手・川沿いのスポットは、遮るものがないため風が強く吹くことが多く、体感温度は実際の気温よりも低く感じられます。「大宮公園」などで夜桜のライトアップを楽しむ場合も同様で、しっかりとした防寒対策が必須です。スプリングコートだけでなく、薄手のダウンジャケットやフリース、ストールなど、一枚多く羽織れるものを必ず持参し、重ね着で体温調節ができるように準備しておきましょう。
人気スポット(熊谷・幸手)のアクセスと駐車場・混雑対策
埼玉県のお花見シーズンで最大の難関が、「熊谷桜堤」と「幸手権現堂桜堤」という二大人気スポットの大混雑です。どちらも桜と菜の花の絶景を一目見ようと、見頃の週末には首都圏全域から観光客が殺到します。
最大の問題は「交通渋滞と駐車場不足」です。特に幸手権現堂桜堤は、最寄り駅(幸手駅)から距離があり(徒歩約30分、またはバス)、車での来場者が集中するため、周辺道路は深刻な渋滞が発生し、広大な臨時駐車場も満車になるのに時間はかかりません。「熊谷桜堤」は熊谷駅から徒歩圏内(約5分)とアクセスが良いですが、それでも車で訪れる場合は駐車場の確保が困難です。
2026年にこれらのスポットを訪れる際は、可能な限り公共交通機関を利用する(熊谷は電車+徒歩、幸手は電車+バス/タクシー)ことを強く推奨します。車で訪問する場合は、渋滞が本格化する前の早朝(午前9時前)には現地に到着する計画を立てるのが賢明です。
平野部(大宮・熊谷)と山間部(秩父・長瀞)の開花時期のずれ
埼玉県のお花見計画で最も重要なのが、「平野部」と「山間部(秩父・長瀞)」との明確な時期のずれです。埼玉県の大部分を占める平野部(さいたま市、熊谷市、幸手市、川越市など)は、3月下旬~4月上旬に一斉にピークを迎えます。
しかし、西部の山間部である秩父・長瀞エリアは標高が高く、気候が異なるため、開花が大幅に遅れます。長瀞のソメイヨシノやヤマザクラは4月上旬~中旬、さらに「通り抜けの桜」と呼ばれる八重桜のピークは4月中旬~下旬です。また、秩父「羊山公園」の有名な「芝桜」は4月中旬~GWにかけてが見頃です。
「熊谷桜堤が満開」というニュースを見て、その週末に「長瀞の通り抜けの桜」を見に行っても、まだ固い蕾である可能性が非常に高いです。1回の旅行で平野部と山間部の両方のピークを見るのは困難なため、2026年の計画では、どちらのエリアをメインにするか、目的地の開花状況をピンポイントで調べてから訪問しましょう。
まとめ
2026年におすすめしたい、埼玉県のお花見・桜の名所7選をご紹介しました。首都圏からのアクセスが抜群な埼玉県の桜は、熊谷市やさいたま市などの平野部では3月下旬から4月上旬にかけて、東京とほぼ同時期に見頃のピークを迎えます。
「日本さくら名所100選」に選ばれた「熊谷桜堤」や、全国的な人気を誇る「幸手権現堂桜堤」で見られる、桜と菜の花の圧巻のコントラストは、埼玉県の春の風物詩です。また、都市部で気軽に楽しめる「大宮公園」や、小江戸の風情あふれる「川越・新河岸川」など、多彩な魅力が揃っています。
さらに、平野部の桜が終わった後も、秩父・長瀞エリアでは4月中旬から下旬にかけて、「通り抜けの桜(八重桜)」などが見頃を迎え、秩父「羊山公園」では芝桜との共演も楽しめます。このように、場所を変えれば長く桜リレーを楽しめるのも埼玉県の強みです。
ただし、2026年の桜旅行を成功させるには、3つの重要な注意点があります。
①「花冷え」対策:特に川沿いのスポットは風が強いため、防寒着は必須です。
②「熊谷・幸手」の大混雑:週末の交通渋滞・駐車場不足は深刻です。公共交通機関の利用や、早朝の訪問を強く推奨します。
③「平野部」と「秩父・長瀞」の時期のずれ:両者のピークは2~3週間異なります。行先の開花状況をピンポイントで確認することが必須です。
これらのポイントをしっかり押さえて、2026年の春は、多彩な魅力あふれる埼玉県の桜景色を存分にお楽しみください。